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20080511~ 13と7と11の倍数の論理積は13と7と11の積の倍数である。 和ァ・・・
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深さと幅の有限と無限~基本挟まらないけど、挟まったら地獄の落とし穴~
穴がキツいって表現エロすぎだろjk

井戸型ポテンシャルの深さが無限幅が有限だと、解くのがすごく簡単で、感覚的にも親しみやすいんですよ。


その深さを有限に持ってきて、幅もそのまま有限だと、
ちょっと非線形っぽくて嫌で、難易度もちょっと高くなるんですが、まだ親しみやすい(と僕は思うんです)



深さ無限で幅もゼロだったら?
これがちょっと親近感もてないんですよねぇ個人的に。
デルタ関数型ポテンシャルって言うんですけど
深さは無限でも構わなかったのに、幅がゼロになったとたん、なんかこう得体の知れない気持ち悪さが・・・
あれ?特にありません?
気になりませんか?折木さん!!

だってど真ん中で波動関数が折れ曲がるんですよ?
(0F微分連続、1階微分不連続)
幅有限、深さ無限の井戸型ポテンシャル
まあそれ言っちゃ深さ無限の井戸型ポテンシャルも端っこで折れ曲がってるっちゃ折れ曲がってますけどね



これまでの「井戸型ポテンシャルシリーズ」でやってきたシミュレーションをそのまま流用できないんですよ。
幅aと深さV0の関係を反比例でa=なんちゃら/V0にすりゃあいいってもんじゃないんす。
もちろんV0をどこまで持ち上げても無駄なようです。



ところがね
解析的に解いてみるとわかるんですよ。
どこを変えればシミュレーション可能かが。


元々、このシミュレーションは2階の微分方程式なんで、
初期条件に相当する境界条件が2つ必要なんです。
でも、右端と左端を条件にするのが嫌だったので
真ん中を条件にしたんですよ。
それで偶関数なら左右対称(線:y軸対称)、奇関数なら反対象(点:原点対称)にしたんですが
これだと条件1つしかないですよね

そこで、初期条件みたいなことをして2つにしたんです。
グラフの横軸を水平方向、縦軸を鉛直方向に見立てた落下運動を考えてみてください。


そうしたときに、井戸の真ん中から物体を放り投げるんです。
それで、「バウンドしなくなった場所」を「波動関数の端っこ」に置き換えたんですよ。
初期条件っぽい境界条件
このとき、偶関数なら高いところ(0階微分=1)から真横(1階微分=0)に、
奇関数なら地面(0階微分=0)から斜め(1階微分=1)に投げることに相当します。

つまり、y軸のスケールなんて最初はどうでもいいんです。
どうせあとから規格化するんで。



ところが、幅までゼロに持ってくると
そのどちらでもなくなることが解析的に解いてわかったんです。
折れ曲がった波動関数
そこで、0階微分を1(高所から)、1階微分も(マイナスですが)1(斜めに投げる)にしてやると
シミュレーションでも解析解を再現できたんですよ!


なんていうか
無限に手が届くようで届かないといいますか
届かないようで実は届いていたといいますか
解析解の力を借りればシミュレーションでも無限に手が届くけれど
その解析解を出す部分がコンピュータには難しいというか
妙な無力感と有力感の混ざり合いといいますか・・・不思議な感じです。


で、その解析解ってのが意外と簡単でして
ただの指数関数なんですよ。
まあ、無限が関わると意外と簡単っていうのはよくあることなのかもしれません。
それだけ理想化してるわけですしね。


シュレディンガー方程式の
時間に依存しない1次元のシュレディンガー方程式
ポテンシャルにデルタ関数をぶち込みます。
ポテンシャルにデルタ関数を代入

このデルタ関数δ(x)というのは、関数の中身がゼロのときに無限大の値をとり、それ以外ゼロになるという大変気難しい方です。
それでいて、この無限に狭くて深いアホ毛の面積は1に保持してくれという要求までしてくるのです。
でもまあ、慣れてくると結構扱いやすい方です。

それはさておき、デルタ関数を適当に-U0倍してぶち込みますと、シュレディンガー方程式は次のようになります。

このときの境界条件は無限を扱うために普段の井戸型ポテンシャルとは少し変わっていまして
x<0のときの波動関数をψ1、x>0のをψ2とすると
ψ1(0)=ψ2(0)

と、ここまでは普段どおりなのですが
ψ1'(0)=ψ2'(0)という2階微分同士が同じな境界条件ではなく

無限を扱う際の境界条件の例
こういう条件になるのです。
εはイプシロン-デルタ療法のアレだと思いますたぶん。微小量ですね。あとでゼロに近づけるみたいな。

なぜこのような境界条件になるのかといいますと
さっきの式
シュレディンガー方程式
を-εから+εまで両辺積分すると導出できるんだそうです。
標本化定理とか使います。

まあそれで解きますと
x<0でのψ1はψ1=Aexp(kx)
x>0でのψ2はψ2=Bexp(-kx)
になりますが、
x=0でψ同士が同じという境界条件なので
ψ2の係数BもB=Aになります。

さらに、さっきのゴチャゴチャした2つ目の境界条件を解きますと、波動関数の1階微分が
ψ1'=kAexp(kε)
ψ2'=-kAexp(-kε)
なので
固有条件の算出
という固有値が1つだけ導けます。

また、最後まで残ったAは例によって例のごとく規格化条件から求めまして
波動関数の絶対値の2乗(存在確率)をすべての位置で積分したものが1になればいいので
規格化



めっちょ簡単な、ただの指数関数になります。
tdn exp
気持ち悪いのは、次元解析ですよ。
いつもディラック定数ħ(プランク定数)と波数kは1つずつセットで現れていて、片方が2乗されるときはもう片方も2乗だと思っていたのに裏切られた気分です!><

これは、デルタ関数が持つ、どこか人を食った関数を積分したような雰囲気のせいですかね。





結論としては、
ほっそくて誰も挟まらないだろうけど
挟まったらどこまでも落ちていく地獄の落とし穴に落ちるか?


という問題は
デルタ関数型ポテンシャル折れ曲がる波動関数
量子だと割りと落ちる
が答えっちゅうことです。
訂正:当日22:38
x・y軸の目盛間違えてました。
デルタ関数型ポテンシャル中の波動関数




こんなんホントに起きるんか?
って思ったんですけど
なんかぐぐってたら実用化目前?みたいですね
量子ドットとか!




それでついでに考えたんですけど

・幅ゼロ、深さ無限
・幅有限、深さ無限
・幅有限、深さ有限

ときたら、残りの
・幅ゼロ、深さ有限

が気になりません?

ほっそくてさほど深くもない井戸型ポテンシャル!
もしかして解くに値しないから放置なんでしょうかw
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