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20080511~ 13と7と11の倍数の論理積は13と7と11の積の倍数である。 和ァ・・・
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前回の続きです。


かばん「ヘキサボナッチ数列を具体的に言ってみよう!」

サーバル「・・・うーん」

かばん「・・・あ、それじゃあサーバルちゃん、フィボナッチ数列の具体例から始めてみようか」

サーバル「3番目が1つ目と2つ目の合計だから・・・1つ目と2つ目っていくつだっけ?」

かばん「0と1だよ」

サーバル「なんで?」

かばん「なんていったらいいかなあ。1つ目が0、2つ目が1っていうのは「初期値」っていうんだけどこの組み合わせ以外だと、3番目以降が全然違ってきちゃうでしょ。こういう数列は別の名前があって、「リュカ数」って呼ばれてるんだ」

サーバル「そうなんだ。」

かばん「「まずはなるべくシンプルに」っていう理念が数学の根っこにあるんだよ」

サーバル「じゃあ、トリボナッチだと初期値は0,0,1で、テトラナッチだと0,0,0,1ってこと?」

かばん「その通り!やったねサーバルちゃん!」

サーバル「やったぁ!」

かばん「じゃあヘキサボナッチの場合はどうなると思う?」

サーバル「ヘキサが6だから、6つ合わせた合計を7つ目にするから、0,0,0,0,0,1が初期値で、その6つの合計1が7つ目?」

かばん「すごいねサーバルちゃん!」

サーバル「えっへん!サーバルの技だよ!」

かばん(そうなのかなあ^^;)「じゃあ、100個目はわかる?」

サーバル「え・えー!?」

かばん「結構大変だよね。前回「漸化式」って言ったのはこういうことで、100個目の芋を掘りだすには、それまでの99個の芋を掘り当ててないとたどり着けないっていう弱点が、漸化式にはあるんだ。これを、いきなり「100個目はいくつですって言えるようにしたのが「一般式」って呼ばれるんだよ」

サーバル「一般式、すごいねー!」

かばん「ところで、「行列」って知ってる?」

サーバル「知ってる!PPPのチケットをもらうために並ぶフレンズのことでしょ?」

かばん「ま、まあ、それも行列、というか、行だけの行列だね^^;数学には別の意味の「行列」があって、1行や1列とは限らないんだ。たとえば、PPPを見てるフレンズさんたちが、縦4列、横10列に規則正しく並んでるとしても、それも行列なんだよ」



サーバル「なんだかラジオ体操みたいだね」

かばん「フレンズさんたちもラジオ体操って、するの?」

サーバル「夜起きてすぐのラジオ体操は気持ちいよね!ウェルカムtoようこそジャパリパーク~!今日もどったんばったんおおさわぎ!♪元気元気!

かばん(やっぱりその歌なんだ^^)

サーバル「ラジオ体操とヘキサボナッチ数列って関係あるの?そういえば数列と行列って似てるかも!」

かばん「ヘキサボナッチ数列を行列表現すると、まるで漸化式が一般式で表されてるかのような錯覚を受けるんだ。今地面に数式を書くから、見ててね」

 


サーバル「なにこれー!?」

かばん「これが、「行列」っていう数学だよ。数が行と列になって並んでるでしょ。元々は連立方程式を解くために考案されたもの、みたい。僕の宿主の記憶ではそういうことになってる。」

サーバル「れんりつほーてーしき?」

かばん「この行列方程式は、3本の連立方程式からできているんだ。」

x=1x+2y+3z
y=5x+4y+6z
z=9x+7y+8z
 
サーバル「これを行列で表すと、こうなるの?」





かばん「そういうこと」

サーバル「でも、なんか変なの~」

かばん「やっぱりサーバルちゃんもなんか変だと思うでしょ^^実は、行列っていうのは行列Aと行列Bの掛け算を入れ替えると、同じ行列cになるとは限らないんだ」

サーバル「そっか!私そこが引っかかってたんだ!積の交換法則っていうんだよね?」

かばん「サーバルちゃんよく覚えてたね!よしよし、いい子いい子」

サーバル「かばんちゃんの毛づくろいは気持ちいいなぁ。ぐるぐるぐるぐる・・・もっと撫でて~」

かばん「え、そこも撫でていいの?」

サーバル「かばんちゃんにだったらどこを撫でられても安心だよ」

かばん「えー?もう、サーバルちゃんったら~〃∇〃


ご起立ください
(中略)
座れ


かばん「はっ!それはさておき」

サーバル「積の交換法則が乱れちゃうなんて、そんなの数として大丈夫なの?」

かばん「やっぱりそこ、気になるよね。実は大丈夫なんだ。数の3大法則、覚えてる?」

サーバル「交換法則、分配法則、結合法則、だったっけ?」

かばん「そうそう。8元数っていう数学では、この3つのうちまともに機能してるのは1つだけらしいしね」

サーバル「あ、そういえばベクトル!あれも交換法則がいまいちだったよね」

かばん「ベクトル積のことだね。大きさは同じだったけど、向きが逆だったね。そうそう。数っていうのはね、必ずしもこの3大法則を守らなくてもいいんだよ」




かばん「話をヘキサボナッチに戻すと、この行列は結局、こういう風に表すこともできるよね」

サーバル「うんうん。」

かばん「その先はどうなると思う?」

サーバル「うーん・・・あ!そうか!漸化式か!芋づる式にずーっと連なって・・・!!初期値までさかのぼれるね!」




かばん「そう。n番目の数列を、行列の積で、しかも初期値までさかのぼって表現することができたね。」

サーバル「この、「同じ行列をn回掛け算する」っていう表現はなんとかならないのかなあ?」



かばん「サーバルちゃん、いいところに気が付いたね!掛け算が足し算の重ね合わせだったように、掛け算を重ね合わせた何かがあってもおかしくないって思うのは自然なことで、これを「べき乗」って呼んで、たとえばaって行列をn回掛け算するっていうのは、aのn乗って言って、a^nって表現するんだよ。nをaの右肩に乗せて表現する方法もあるんだ。」

サーバル「ほんとだぁ、漸化式だと思ってた式が、行列のべき乗のおかげで、いつの間にか一般式みたいになってる。すごーい!」

かばん「これはダジャレって言ってね」

サーバル「そうなの?」

パシャ

かばん「いい顔いただき!」

サーバル「え!?冗談!?ひどいよかばんちゃーん。ボスも私の変な顔の写真消して?」

かばん「きゃー消さないでくださーいv

ボス「(やれやれ)サーバルはお客様じゃないので要求には答えられないよ





かばん「行列のべき乗は、さっき言った通り、積の交換法則が通用するとは限らないことから、複雑になることが多いんだ。そこで、「対角化」という方法を使うんだけどね

A、P、Jっていう行列があったとして

A=P×A×inv(P)

っていう変換をすることで、Aのべき乗を計算しやすくするんだ。」

サーバル「inv(P)ってなに?」

かばん「Pの逆行列って意味だよ。P×inv(P)もinv(P)×Pも、単位行列Iになる、そんな行列のことを言うんだ。」

サーバル「単位行列?」

かばん「数字で言うところの「1」みたいなものだね。1にaを掛け算すると、aそのものになるでしょ?そういうのを「単位なんとか」って呼ぶんだ。行列の場合は



これが単位行列」

サーバル「こんなのが単位行列なの?なんか変なのー」

かばん「連立方程式に戻して考えてみよう。



この式は、
a=1×a+0×b+0×c+0×x+0×y+0×z
b=0×a+1×b+0×c+0×x+0×y+0×z
c=0×a+0×b+1×c+0×x+0×y+0×z
x=0×a+0×b+0×c+1×x+0×y+0×z
y=0×a+0×b+0×c+0×x+1×y+0×z
z=0×a+0×b+0×c+0×x+0×y+1×z

こういうことになる。」

サーバル「当たり前の式だね!」

かばん「つまりA=IA」

サーバル「あ、ほんとだ。Aが行列じゃなくて数字だと考えると、確かに当たり前だし、単位行列Iにaをかけると、Aそのものになってるね。」

かばん「同様に、Pに右側からinv(P)をかけても、Pの左からinv(P)をかけても、単位行列Iになるものを、逆行列って呼ぶんだよ。」

サーバル「そっか。逆数みたいなものだね!」

かばん「そゆこと!」

サーバル「でも逆行列の中の人はどうやって計算して出せばいいの?」

かばん「inv(P)=Q/|P|って方法が知られてるよ」

サーバル「|P|ってなに?」

かばん「|P|はdet(P)とも書くんだけど、Pの行列式。行列式は計算していくと、ただの数になるから、割り算ができるんだよ。あとで詳しく教えるね。」

サーバル「じゃあQは?」

かばん「QってのはPの余因子だね。たとえばPの中身がこうなってたら

 



こんな風に表現できるよ。」

サーバル「じゃあここのtは?」

かばん「転置行列、つまり、行と列を入れ替える意味の記号だね。」

サーバル「余因子を求めるときにも、行列式を使うの?」

かばん「うん。元の行列Pより1行1列だけ小さくした行列の行列式を計算するんだよ」

サーバル「大変なんだねー」

かばん「そうだね^^;ちょっと大変だね。でもこのひと手間のおかげで、行列のべき乗がすっごくおいしく料理されるんだ。さっきのA=P×J×inv(P)って式に、Jってのが出てきたでしょ?」

サーバル「うんうん。」

かばん「Jっていうのは対角化された行列のことなんだ。



たとえばこんな感じ。」

サーバル「ちょっとだけ単位行列に似てるね!」

かばん「当然です。対角化された行列は、普通の行列が単位行列化したものと言われているのですよ

サーバル「マーゲイ!?

かばん「ちょっとやってみたかったんだ^^;まあ今のは冗談として」

サーバル「え?」

かばん「対角化された行列っていうのは単位行列みたいに、すごくべき乗がしやすい構造になっているんだ。」

サーバル「うみゃみゃみゃみゃみゃー!

行列のべき乗(右クリックで等身大)

ほんとだ!簡単になってる!すごーい!」


かばん「こんなことのために、JとPの中身をわざわざ考えるんだよ。これが理性開放の技の1つ。「固有値(J)」と「固有ベクトル(P)」だね。これを使って、Aのべき乗を考えてみよう」

サーバル「A^n=PJinv(P)×PJinv(P)×・・・×PJinv(P)×PJinv(P)。あ!隣り合うPとinv(P)が単位行列になって消えるよ!」

かばん「よく気が付いたね!結局、A^n=P×J^n×inv(P)ってなって、Jのべき乗は楽にできるから、行列Aのn乗A^nも楽に計算できることになるんだ。」

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