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20080511~ 13と7と11の倍数の論理積は13と7と11の積の倍数である。 和ァ・・・
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「なあ、ピンポイントでアリに致命的ダメージを与えたいとき、どこを狙えばいいと思う?」


 「どうした、いきなりそんなかしこまって。だいたいその問題にはピンポイントの定義が欠けているぞ」


「すまんもう少し簡単にしゃべってくれ」


 「俺にはこれが一番簡単な表現だから安易に口に出たんだが・・・」


「・・・わかった、じゃあピンポイントの定義ってなによ」


 「お前はピンポイントにアリを狙撃した。だがお前の銃から出た弾丸は実はニュートリノだった。アリはビクともしなかった。」


「あーはいはいわかったわかった」


 「待て待て、今逆の例も挙げてやる。お前はピンポイントだが目隠しをしてアリを狙撃した。だがお前の銃から出た弾丸は実は太陽だった。アリどころか惑星全体が消えてなくなった。」


「・・・」


 「このように、ピンポイントの定義、つまりどんなスケールでアリを狙うのかが定まっていないだけで問題はたちまち曖昧になる。まずお前さんの抱えている問題の詳細を教えてくれないか。」


「そうだな・・・その昔、といっても12時間前のことなんだが」


 「バクテリアにとっては大昔だな」


「俺はトイレでアリを潰そうとした。ぶっちゃけ腹が痛いのにアリなんかにかまってやれなかったんだ。調子がよければじだんだを踏んだり息を吹きかけたり威嚇したりデコピンしたりしてアリを安全な場所まで避難誘導するんだが、なにせ腹痛だったんでな、そんな最中に足とかから這い上がられたらたまらん。なにせ腹痛だしな。」


 「それで自分が自分とアリの心配をしなくてすむというエゴのために、アリを潰したというのか、このエゴイストめ。」


「そのとおり、俺はエゴイストだ。それでな、1回だけ踏み潰したんだよ。ちなみに、トイレにはじゅうたんが敷いてある。」


 「アリはどうなった?」


「生きてたよ。それどころか、ヨロヨロしながらもちゃんと歩くんだ。それで、見てられなかったから何回か踏みつけてやった。」


 「お前はやさしいエゴイストだな。それで?」


「3~4回踏み続けたんだが状況は変わらず。アリはたいしたダメージも受けずに相変わらずヨロヨロしながらも歩くんだよ。

なあ、これってアリが強靭なのか?それともたまたまアリに致命的なダメージを与えられなかったのか?どっちだと思う?」


 「可能性は絞れないだろうな。アリに致命的ダメージが与えられなかった場合、たまたまダメージが与えられない攻撃をしたのか、アリの防御性能が超越的なのか、はたまたアリに致命的な箇所など存在しないのか、まるで絞れない。」


「致命的な箇所が存在しない?そんなことってあるか?」


 「昆虫はいろんな意味で分散処理システムなんだよ。少し前まで集中処理に特化してきた人類とは対極を行っていたんだ。

アリの個体に注目すると、その足は6本あって2~3本欠けても歩けるように余計な足がある。

その上、神経に着目するとそこにも分散システムがある。昆虫にははっきり脳といえそうな場所が1つではなくいくつかあるんだ。つまり神経の団子が各部にあるんだよ。

さらに、手足が簡単なつくりをしている場合、少し破損しても動き続けられることもある。

ほら、お前さんが中学生のころ、床で寝転んでいる間にアシナガグモに這い上がられたことがあるだろ?」


「ああ・・・思い出したくもないが・・・あのときは無我夢中で払ったっけ。それでもちぎれたアシナガグモの足だけがヒクヒク動いてたんだっけ・・・おぇ・・・」


 「そうそう。つまりだ、アリはたとえ頭サイズの銃弾で脳天をぶち抜かれたとしても動いている可能性も無きにしも非ずということだ。

たとえそれが機能的な動きではなくとも、はたから見ればちゃんと歩いているように見えてしまうときだってあるだろう。」


「末恐ろしい異質な生物だな・・・。ってことはあれか。無難に致命的ダメージを与えるためには、ピンポイントのサイズをアリの全長以上にしなきゃだめっぽいってことか。」


 「そういうことになりかねんな。」


「ところで、なんで昆虫はああも分散処理なんだ?」


 「小さいからだよ。昆虫などの節足動物は無脊椎動物から進化する際、外骨格という道を選んでしまった。そのため、内骨格とは違って巨大化ができないっていうどん詰まりを経験してるんだ。
まあもちろんそれは、大気の組成にもよるみたいなんだけども、スケーリングの法則によって巨大化は難しいとされているね。

あれだ。巨大ロボと蟲はその巨体を維持できない点で似てるんだよ。」


「だから小さくなる方向に向かったのか。」


 「でも、小さくなるってことは複雑性を捨てるって意味だからね、なるべく簡素なシステムで生命維持ができるように変化してきたわけ。
で、その際に分散処理システムも獲得したんだね。

個体の中身もそうなんだけど、個体そのものが分散処理システムの一部であるっていう場面も往々にして見るよね。」


「たとえば?」


 「群れで巣を作って、役割分担をするのがいるだろ。アリとかハチとか。そういうやつらは個体がすでに巣という大きな個体の中の1つの細胞のように働くんだ。卵を産み続ける個体、防衛のみに特化した個体、作業要員の個体、食糧管理用の個体、生殖のためだけの個体とかね。」


「なんか、多細胞生物における細胞の分化みたいな話だな。」


 「どうやって個体が分化するんだろうね。ES細胞やiPS細胞みたいのが群れの中にあるんだろうかねえ」


「ん?ちょっと待てよ?俺たち人類は、最近になって分散処理システムに手を出したって言ってたよな?」


 「うん、それがどうかした?」


「もともと集中処理システムの生物が時間を経て分散処理システムに手を出せるってことは、その逆もあるんじゃなかろうか?」


 「具体的に言うと?」


「たとえば、昆虫の個体それぞれが本当に細胞みたいに認識されるべきなら、その群れに着目すると、何か1つの生物みたいに見えてくることはないのか?って話だよ」


 「ってことはなに、昆虫の群れが知性を持ってそのうちコンピュータを開発するとか?」


「あるいはもうすでに・・・俺たちが気づいていないだけで・・・」


ED
きーみーのそばにもー
そーれーはあるはずーだーよ
たーとーえばへやのー
かーべーのむこうがーわーに
みーえーるけしきはー
まぼろしーじゃーなーいーんーだー




↓がんばり過ぎると、死ぬよ!・・・死ぬよ!
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