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20080511~ 13と7と11の倍数の論理積は13と7と11の積の倍数である。 和ァ・・・
[413] [412] [411] [410] [409] [408] [407] [406] [405] [404] [403]
速度の1乗と2乗の両方に比例した空気抵抗を受ける質点の落下運動を論じる。

ニュートンの運動方程式は以下のようになる。

mdv/dt=mg-c1v-c2v2

m:質量。定数。
g:重力加速度。定数。
c1:速度の1乗に比例する空気抵抗の係数。形状に依存する定数。
c2:速度の2乗に比例する空気抵抗の係数。形状に依存する定数。
v:落下速度。下をプラスに取る。tの関数。
t:経過時間。変数。
dv/dt:速度の時間微分。
xn:xのn乗

この微分方程式を解きたいと思う。

vの符号と係数が邪魔なので移項する。

-(m/c2)dv/dt=v2+(c1/c2)v-mg/c2

変数を積分しやすいように分離する。

-(c2/m)dt=dv/(v2+(c1/c2)v-mg/c2)

左辺の積分=-(c2/m)t+A

Aは積分定数。(任意)

右辺の積分は、このままではできないので、式を変形する。

右辺の分母は

v2+(c1/c2)v-mg/c2=(v+a1)(v+a2)

になるとすると、a1、a2は2次方程式の解の公式より

a1=(-(c1/c2)+√((c1/c2)2+4mg/c2))/2
a2=(-(c1/c2)-√((c1/c2)2+4mg/c2))/2

になるので、

1/(v2+(c1/c2)v-mg/c2)=B1/(v+a1)+B2/(v+a2)
になるようにB1とB2を決定する。

通分して分子を比較すると

(B1+B2)v=0
(B2a1+B1a2)=1

のような連立方程式になるので

B2=-B1=1/(a1-a2)=1/√((c1/c2)2+4mg/c2)

となり、

右辺=(dv/(v+a2)-dv/(v+a1))/√((c1/c2)2+4mg/c2)

右辺の積分=ln((v+a2)/(v+a1))/√((c1/c2)2+4mg/c2)

となる。

左辺と右辺を結ぶと

-(c2/m)t+A=ln((v+a2)/(v+a1))/√((c1/c2)2+4mg/c2)

移項すると

-t√((c1/m)2+4mgc2)+A=ln((v+a2)/(v+a1))

両辺の指数をとると

Ae-t√((c1/m)2+4mgc2)=(v+a2)/(v+a1)

a1とa2を元に戻すと

Ae-t√((c1/m)2+4mgc2)=(2v-(c1/c2)+√((c1/c2)2+4mg/c2))/(2v-(c1/c2)+√((c1/c2)2+4mg/c2))


ここで、初期条件であるt=0のときv=0を代入し、Aを決定する。

A=(-(c1/c2)+√((c1/c2)2+4mg/c2))/(-(c1/c2)+√((c1/c2)2+4mg/c2))


(-(c1/c2)+√((c1/c2)2+4mg/c2))/(-(c1/c2)+√((c1/c2)2+4mg/c2))e-t√((c1/m)2+4mgc2)
=(2v-(c1/c2)+√((c1/c2)2+4mg/c2))/(2v-(c1/c2)+√((c1/c2)2+4mg/c2))

vの式にまとめると

v=2(mg/c2)*(1-e-t√((c1/m)2+4mgc2))
/(c1/c2)*(1-e-t√((c1/m)2+4mgc2))+√((c1/c2)2+4mg/c2)*(1+e-t√((c1/m)2+4mgc2))



分母分子にet√((c1/m)2+4mgc2)/2をかけると、

v=2(mg/c2)*(et√((c1/m)2+4mgc2)/2-e-t√((c1/m)2+4mgc2)/2)
/(c1/c2)*(et√((c1/m)2+4mgc2)/2-e-t√((c1/m)2+4mgc2)/2)
+√((c1/c2)2+4mg/c2)*(et√((c1/m)2+4mgc2)/2+e-t√((c1/m)2+4mgc2)/2)

この指数同士の引き算はsinh、足し算はcoshなので、vはtanhの逆数つまりcothの式になる。

v=2(mg/c2)/(c1/c2)+√((c1/c2)2+4mg/c2)*coth(et√((c1/m)2+4mgc2)/2)

coth(x)=1/tanh(x)である。

まとめると、

v=2v∞1/(1+√(1+A)*coth(gt/(2v∞1√(1+A))))

ここで、v∞1=mg/c1は空気抵抗が速度の1乗にのみ比例したときの終端速度、
定数をまとめたAはA=4mgc2/c12である。

4mgc2がc12に比べて大きい、つまりAが大きいと速度の2乗に比例する空気抵抗が支配的となり

v=v∞2tanh(gt/v∞2)

に近似でき(v∞2=√(mg/c2)は空気抵抗が速度の2乗にのみ比例するときの終端速度)
Aが小さいときは速度の1乗にのみ比例する空気抵抗が支配的となり

v=v∞1(1-e-gt/v∞1)

に近似できる。

この2つの式は、昨日おとといで計算した、速度の1乗、2乗にのみ比例する空気抵抗の運動方程式を解いた結果と一致する。


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