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20080511~ 13と7と11の倍数の論理積は13と7と11の積の倍数である。 和ァ・・・
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ちょっと前に録画した量子物理の講義のビデオを見直していたら、ふと思いついたことがあった。



その授業では交換関係の話をしていて
たとえば座標xと運動量のx成分pxの交換関係を[x,px]と書き
交換関係は

[x,px]=x・px-px・x

と定義するが、xはともかくpxは量子力学ではpx=∂/∂xという微分演算子なので
一般に掛け算の交換法則は成り立たず
[x,px]はゼロにならない(iħになる)と言っていた。


次に挙げた「交換関係がゼロにならない例」として
角運動量のx成分と座標y
があったのだが

角運動量のx成分を計算するときに
あーそういえば角運動量ってそもそもベクトル積で算出してたっけなー
ってことを思い出した。

僕はベクトル積をこう習ったのですごく覚えやすかった覚えがある。
L=x×p=
|   i   j   k|
|  x   y   z|
|px  py  pz|

p=mv (運動量は質量と速度の積)
i、j、kはここでは3次元ベクトルのそれぞれx、y、z軸の単位ベクトルで、3行にわたる絶対値のようなもの||は行列式

ただ、具体的に使った覚えがほとんどないのが残念だ。

角運動量のy成分なので、行列式の中のjがつく項を引っ張り出せばいい。
Ly=x・pz-z・px
となる。

交換関係は[y,Ly]=[y,(x・pz-z・px)]などと書くが、

この外積(ベクトル積)
x・pz-z・px
自体が、すでに交換関係みたいな感じに見えてきてびっくりした。



そういえばベクトル積も順番を入れ替えると値が変わるものの一種で
特に量子力学での交換関係と似てるのは交換した際に変わるのが符号ぐらいなもの
ってところもよく似てる。

これが行列だったら掛け算を入れ替えただけで似ても似つかない結果になることもあるだろう。
(まあ固有値を調べたら実は双子だったってことくらいはわかるのだけど)


もし、ベクトル積の交換関係を書くとしたら
[r,p]・・・いやこれは描けないぞ?

スカラー積に対する交換関係なのかベクトル積に対する交換関係なのかが示されていない。
もし「,」の上に「×」を描くことができるならその「,×」みたいなのを使って
ベクトル同士に対する交換関係を示す記号を新しく作る必要がある。

座標r(x,y,z)と運動量p(px,py,pz)のベクトル積における交換関係は
[r,×p]=2r×pである。

また、直交座標x,y,zの単位ベクトルi,j,kにもベクトル積の交換関係は成立し
[i×,j]=2k
[j×,k]=2i
[k×,i]=2j
がいえる。


=======
実はこれは、3次元空間を行列で表したパウリ行列でも言うことができ
なおかつパウリ行列では中身が複素数である代わりに掛け算が1種類しかなく、ベクトル積、スカラー積という区別がないため、
従来の交換関係の記号を用いて

[σx,σy]=i2σz
[σy,σz]=i2σx
[σz,σx]=i2σy

がいえるとすでにwikipediaに書いてある。
あ、ホントだ!書いてある!


なぜi倍なのかは僕にはいまいちよくわからない


=======
また、ベクトルやパウリ行列を拡張した(?)クォータニオン(四元数)
という量にも


3つの虚数単位i,j,k同士の間に(先ほどの3次元の単位ベクトルとはちょっと違う)


[i,j]=2k
[j,k]=2i
[k,j]=2j

が言えてしまうのだ。なんてこった!




======
ところで、人間は個人差はあるだろうが
なぜか合理の塊である数学に向かって「不条理だ!」といっちゃうようなときがある。

身近な例で言えば円周率
円の円周を直径で割ったときに全然チョッキリじゃなく分数にすらならず
何乗しても分数にならない
なんてことがわかってしまったときはたぶん泣いていい


こんなポイントがあちこちにあると思われるのだ。

たとえば行列
行列は行だけでも列だけでもなく行と列だから行列
っていうのは別に驚くことではなく、むしろ「そりゃそうだ!」と思うところだと思うが
行列の掛け算を習ったとき
そんなんは行列の掛け算じゃない!」と泣いた人はどれだけいただろうか。

そもそも、掛け算する左右2つの行列の
左の行数右の列数が合っていなければ掛け算を行うことすら許されないのだ。
(例:3行2列×2行2列の掛け算はできない)

しかし授業ではそれを淡々と踏まえたうえで、定義や定理や性質などの解説が始まり、練習問題に移っていく。
納得していない人は置いてきぼりだ。
どこか分数の計算を髣髴とさせる。
ここで、交換法則が脱落する。

歴史上はおそらく、長い期間苦心したのではないだろうか。
それまで原理のように我々を護ってきた交換法則・結合法則・分配法則の3本柱のうち1つが破れそうだったのだから
ここは破るべきか破らざるべきか悩んだに違いないと思うわけだが・・・どうなんだろう知らん^^


それと同様に、もしかしたら同じころかもしれない
日記冒頭の微分演算を1項の演算子として捉えた場合も
掛け算の順番次第で結果が変わってくるという現象が発生する。
これも、実は解釈が間違っていて、順番で結果は変わらないべきなのではないか
と悩んだ期間がいくらかはあったのではないか・・・と思うのだ。たぶんな!


で、この両者、量子力学を通じて同じものの別の見方であることが判明する。
藪をつついたらワームホールに入りっぱなしの宇宙ヘビが見つかったかのようなミラクル。
数学では割りとよくあることだったりする。

ちなみに、ワームホールにつかえた宇宙生物の体内を通って宇宙を旅する人類という設定は確か、天地無用だかプリティサミーだかあたりのラノベにあったような気がする。




=======
あ、そういえばこの授業で
スピンはどうやっても行列でしか書けない
みたいなことを言っていて、ようやく諦めがついた。
それまで独学でやっていた僕は、なかなか行列でやる量子力学を理解できず
なんとか微分や波動方程式に直して理解しようとしていた。

ところがどこを見渡してもスピンの波動方程式に相当するものがなく
一体どうなってるんだ?と考えていて
半ば諦めのようなものも漂ってきていた。

しかし生の授業を画面越しに見て
そんなものは存在しない!
と力強く言われたことで
諦めていいんだ!と心から安心した。


また、行列の中身も時々刻々と変化する変数があちこちに入ったイメージでいたんだけど
どうも割りと定数のほうが多いのかもしれない


それにしても、交換関係を証明する際に、交換関係自体に波動関数をかけることがあるのは知っていたが
まさか、交換関係自体を波動関数に作用させる、という式展開そのものに意味があるとは思いもしなかった。


こんな抽象的な数学にまみれたところから実際の量子現象を予測する執念には頭が下がるっていうかマジキチHENTAI集団だと思う。
あなたがたの業界ではもちろんご褒美ですよね!?

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